あしべん特別講習会2018のお知らせ

2018年度もあしべん特別講習会を開催します。

特別講習会は、あしべんスタッフによる「この先生の講演を聞きたい!!」から始まったものです。

足部・足関節に関わらず、我々専門職が普段現場で思い悩むことなどを解決し、すぐにでも臨床に活かし、クライアント様に還元できる内容を提供いただける講師の先生にお越しいただく企画です。

今回は、「足部・足関節」に関連する研究から臨床におけるお話を提供いただきます。

あしべんの内容から更に奥深いところをEBMに基づいてご紹介いただけると思います。

それでは、以下、講習会の詳細をご確認ください。

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●タイトル

足固有の特徴から考える理学療法〜新たな治療戦略〜』

●講師

四條畷学園大学 リハビリテーション学部 理学療法学専攻
澳 昂佑 先生

●講習会概要

日常生活における「立つ、歩く、走る、着地する」といった基本動作はすべて足が地面に対する最終作用点となる。この特殊な機能に貢献すべく、足の構造は複雑かつ特殊である。わずか30センチ足らずの足には多くの骨、関節、筋、腱、靱帯が付着し、これらが協調的に機能し、全身の効率的な運動を構成している。近年では、この複雑な足の構造・機能に関連するバイオメカニクスや神経生理学的作用も少しずつ、明らかになりつつある。本講演では足・固有のバイオメカニクスや神経生理学的作用を考慮したリハビリテーション治療についてEBM、研究結果、臨床経験から以下の点について考察したい。

1、背屈可動域の評価と治療:歩行やランニングなどの多くの場面で足関節の背屈可動域の獲得は重要となる。背屈可動域の制限因子の一つとしてアキレス腱付着の問題が大きい。近年、腱付着部とその周囲組織を1つの器官(enthesis organ)として捉える概念が普及し、重要とされてきている。つまり、enthesis organの特徴的な構造を考慮し、病態と機能障害との関連を評価することは治療のポイントとなる。

2、足部のinstability(不安定性)とflexibility(柔軟性)の評価と治療: 足は地面から直接、床反力を受け衝撃を吸収するために、安定性が必要であり、ときには様々な状況に対応する柔軟性が必要となる。このため足の不安定性、柔軟性という似た概念を適切に分けることは治療のポイントとなる。

3、足部の固有知覚の評価と治療:立位バランスは視覚・前庭覚・体性感覚で制御されることは知られている。とりわけ、荷重下では足底からの固有知覚を利用した姿勢制御は非常に重要であることが知られ注目されつつある。このため足底からの固有知覚が身体機能へ及ぼす影響を理解することは治療のポイントとなる。

4、足部の筋機能の評価と治療:足には縦、横アーチがあり、外在、内在筋がアーチを構成し、衝撃吸収に関与することは知られている。しかしながら、これらのアーチを構成する筋の作用が姿勢制御に及ぼす影響はあまり知られていない。このため足の筋、アーチが姿勢制御に与える影響を理解することは治療のポイントとなる。

●日時

2018年12月16日(日)、13:30~17:30

●参加費

3000円

●申し込み

後日、12月のあしべん申し込みとして行います。
11月のあしべん開催後になる予定です。

【講師ご略歴】

【学歴】
2011年 大阪府立大学大学院 博士前期課程 修了
2015年 奈良県立医科大学大学院医学研究科 博士後期課程 在学中【学位】
修士(保健学)【職歴】
2009年 株式会社メディケア・リハビリ
2011年 医療法人和幸会 阪奈中央病院
2016年 四條畷学園大学 助教
研究業績

【書籍】
・整形外科最小侵襲手術ジャーナル 全日本病院出版会. 2018.9(分担)
・臨床スポーツ医学 文光堂. 2018.1(分担)
・臨床スポーツ医学 文光堂. 2017.9(分担)
・スポーツ外傷・障害の理学診断 理学療法ガイド 文光堂. 2015.4(分担)
・関節外科 基礎と臨床 メジカルビュ-社. 2014.12(分担)
【講演】
・足の基礎と臨床応用 和歌山県理学療法士会. 2018. 1
・足関節前方インピンジメント症候群に対するアスレッチックリハビリテーションの実際 第9回日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会. 2017.6
・足関節と運動器エコー 阪奈中央運動スポーツ研究会. 2017.6
【助成金】
・平成29年度研究活動スタート支援「慢性足関節不安定性に対する再発予防トレーニングの開発」(主)
・平成25年度理学療法にかかわる研究助成「大腿骨頚部骨折術後のElectromechanical delay 回復過程と歩行能力回復との関連性に関する研究」(分担)
・平成25年度大阪ガスグループ福祉財団研究助成「在宅介護スコアの再開発」(分担)
【論文】
・Vibration Applied to the Lateral Muscle of the Neck Induces Ipsilateral Body Sway during Sit-to-Stand Exercise in Healthy Adults – A Pilot Study. J Nov Physiother. 2017(共)
・Gaze stabilization exercises derive sensory reweighting of vestibular for postural control. Journal of physical therapy science. 2017. 9(共)
・Effect of gaze-stabilization exercises on vestibular function during postural control. Neuroreport. 2017. 5(共)
・Prediction of destination at discharge from a comprehensive rehabilitation hospital using the home care score. Journal of physical therapy science. 2016. 10(共)
・Home care score predicts the advisability of home care when it is difficult to predict it using the functional independence measure score. Journal of allied health sciences. 2016(共)
・Prediction of Advisability of Returning Home Using the Home Care Score. Rehabilitation research and practice. 2015.9(共)
・Effect of cerebellar transcranial magnetic stimulation on soleus Ia presynaptic and reciprocal inhibition. NeuroReport. 2015.2(共)
・Task dependency of the long-latency facilitatory effect on the soleus H-reflex by cerebellar transcranial magnetic stimulation. NeuroReport 2014.12(共)
・Revision of the predictive method improves precision in the prediction of stroke outcomes for patients admitted to rehabilitation hospitals. Journal of physical therapy science. 2014.9(共)
・Facilitation of corticospinal excitability during motor imagery of wrist movement with visual or quantitative inspection of EMG activity. Perceptual and motor skills. 2011.12(主)

・脳卒中患者に対する低頻度反復経頭蓋磁気刺激と運動療法の併用が損傷側手指ピンチ動作の筋活動に与える影響 シングルケースにおける検討 四條畷学園大学紀要. 2016.12(主)
・姿勢制御における足部感覚貢献度の向上により歩行能力改善を示した脳卒中患者の1 症例. 理学療法科学.2016.4(主)

【所属学会】
日本理学療法士協会
日本臨床スポーツ医学会
日本整形外科スポーツ医学会
日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
【社会活動】
2016年 全日本バレーメディカルサポートスタッフ